僕がローコスト住宅を止めた理由(その2)

前回の続きです。

 

4:格安ラーメンを提供するチェーン店方式

テレビで時々見かけますが、ラーメン屋のチェーン店等で目玉のラーメンは原価ギリギリでも他のメニューできっちり儲けを出す、というやり方がありますよね。で、タ◯ホーム等のやり方はそれに近い、とは思いました。つまり目玉になる基本プランでは、メーカーとしてそんなに儲けの出ない仕様にしてはいるものの、きちんとした仕様と呼ぶには物足りない仕様にしておき、お客さんがオプションを選ぶことで儲けが出る形にしておく訳です。オプションを入れた場合の価格がドンと上がってしまう、というのはそういうことなんだろうと思う訳です。

 

例えばタ◯ホームの標準仕様を断熱性能で見てみると、サッシに関しては今の時代の標準的なLow-E仕様の2重ガラスのものを使用していますし、断熱の厚さはカタログ表記で「高性能グラスウール10k 100mm」とありますので、一見、他のメーカーと比べて極端に劣ることはないように見える訳です。ただ、ちょっと住宅断熱の知識のある人なら、やはり高性能グラスウールなら16kの物を使用したいと思うはずですし、厚さが100mmというなら構造材の太さに換算すれば3.5寸相当の厚さですし、2×4の壁の厚さいに近い訳です。であれば尚更使うグラスウールは16k以上の性能を持つ物が好ましい訳です。そこで断熱材を好ましい性能の物にすれば、お値段がドンと上がってしまうというからくりです。もちろん「高性能グラスウール10k 100mm」という仕様でも全く暮らせない程寒くなる訳ではありませんが、16k 120mm(4寸柱)のような仕様よりは間違いなく寒い訳です。

 

結局、契約の段階で必要な知識を持っている人の方が少なく、契約した後で細かいことを決める段階で知識が増えた時にはもう逃げられない、という状況を狙っているとは思われます。オプションを付けてしまえば、普通の価格の住宅と大きく変わらない価格になってしまいますが、性能はもちろん普通の住宅になりますので、お客が物質的な面で損をする訳ではありません。が、お客さんの自由を知識の優位性を利用して奪いにきているという点は、個人的には共感できないのですよね。

 

もっとも、冬寒かったり、諸々細かいことは我慢するから敷地50㎡、建物だけで1800万でどうしても家を持ちたいという夢も、それなりの内容で実現してもいますので、悪徳と呼べる程でもないという感じはあるでしょうか。もちろん冬は寒い訳ですけど。

 

5:構造の部分で安くできる材と工法を採用する

家を安く建てる際の一番原始的な方法ではありますから、特に改めて説明する必要もない気もしますが、それでもここも大事な部分なので最後に書いておきます。今、最も多く採用されている安く建てられる構造材と工法の組み合わせは、耐力壁に構造用合板を使って在来工法で建て、断熱材にグラスウール、基礎はベタ基礎、外壁は窒素系サイディングで建てる方法でしょうか。

 

これで問題がないと言えばないのですが、断熱材にグラスウールを使用し、耐力壁に構造用合板を組み合わせる工法は、仮に施工ミスが起きていた場合、壁の中に結露が発生し、長い年月を掛けて家を腐食させてしまう可能性もあるにはあるのです。

 

構造用合板は透湿抵抗値がもの凄く高く、湿気を壁の中に溜め込んでしまう性質を持っている為、湿気を吸わないグラスウールと組み合わせると結露が発生し易くなってしまうのです。そこで湿気を通さないビニールシートで壁の中に湿気が入ってこないように完全密閉で施工をする必要があるのですが、そこでミスが出てしまうと壁の中に湿気が侵入し、結露が発生してしまうのです。良く知られている通りで、壁の内部の結露は建物に大変大きなダメージを与えます。

 

壁の中の出来事なので外からは見えませんし、気が付いた時には既に時効、のような状況も当然あり得る訳です。そこで耐力壁に透湿抵抗値の低い建材を使って壁の中に湿気が篭らない構造にするなり策を施すと、もうそんなに安くは建てられません。

 

もちろん、施工ミスが起きなければ安いままでも問題はないのですが、訓練されていない安い賃金の組立工が施工することを考えると、仮に予算が許すなら、真っ先に避けて通りたい建材の組み合わせではあるのですよね。

 

まとめ

他にもコストの圧縮の仕方はあるようですが、ローコストで建てるパワービルダーは大まかに以上5つの組み合わせでローコストを実現しているようです。大雑把に言えば、広告と入り口の部分で安く見せかけているだけか、住宅性能や施工技術を含めて品質が落ちる方法を使うか、のどちらかではあるのです。

 

地域の工務店との価格差を考えますと、都内で施工面積35坪くらいであれば、大雑把に300万程度の差にはなります(本当に大雑把です)。住宅性能は、継続的な使い心地のような部分も含め、地域の工務店の方が品質はかなり優れています。あとはその300万をどう考えるのか、という話にはなっていくと思われます。

 

言えることがあるとするなら、下手な施工というのは、単純に捻れた状態にあるものを力づくで嵌め込んでしまう施工ですから、材の継ぎ目等が見えない所で少し痛んだ状態で施主に引き渡されてしまいます。家が新しい間は気にならないレベルで収まるのですが、次第に継ぎ目の痛んだ部分がじわじわと広がっていきますから、住み心地や使い心地も、経年を重ねる毎に丁寧に組み込まれた家との差が大きく開いていってしまう訳です。家に限らず、下手な人が作ったものというのはそもそもそういう物ではあります。新しい時だけいいんです。

 

職人さんの仕事は何でもそうなのですけど、長い年月使い続けても、日頃の手入れさえきちんとしていれば、使い心地がそんなに劣化することはありません。ウチの場合、最終的にはそういう技術を持った人に対してきちんとしたお金を払ってお願いをするのか、そこをリスク覚悟で安く大した技術のない人を使うのか、という選択ではあったのでした。

 

僕がローコスト住宅を止めた理由(その1)

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ローコストで住宅を新築できるというのは大きな魅力です。私も住宅に関してあまり知識のない状態の時は「安く建てられるんならそれに越したことはない」という考えでいましたし、業者さんの話を聞くであっても、そのつもりで話を聞いていたと思います。ただ、自分なりに調べれば調べるほどローコストで建てれば「それなり」のものを覚悟しないといけないということが分かってきましたので、最終的には私も普通に地域の工務店で建てることにしたのでした。以下、木造のローコスト住宅の仕組みに関して、私が住宅展示場やショールームで営業の人の話を聞く等して調べたことをまとめます。

 

1:過去の設計を再利用する、構造計算を端折る

土地の形や向き、施主の要望を踏まえて設計された住宅は、確かに世界に一つしかない建物なのですが、形が違えば建物の各部位への力の掛り方等も全て世界に一つになりますので、当然その強度やバランス等を一から計算をする必要があり、その作業はとてもコストの掛かるものではあります。その手間とコストを過去の施工例のテンプレ化された設計図を再利用して圧縮するやり方があります。もちろんその場合、施主の要望が取り入れられなかったり、或いはテンプレートにある形から外れた土地には建てられない、というデメリットはありますが、建築費はそこそこ安くできます。

 

また、木造の2階建て住宅までなら構造計算は必要ないという法律がある関係で、木造2階建なら構造計算をせずに設計を済ませてしまう業者も少なくないようですが、これはあまり誠意のあるやり方とは言えないと思われます。構造計算は細かい部分の建物の建て付け剛性に関わる作業ですから、そこを端折れば引っ越して半年経ったら壁の継ぎ目に隣の部屋が見えるような薄い隙間ができてきた、のようなことも起きてしまうのはもちろんのこと、床の歩き心地のような日常的な使い心地の部分にも大きな影響を(階段や二階を歩いた際、足場の剛性感に乏しい感覚)及ぼしてしまいます。いくら建築費を圧縮できるからと言っても、住まいの新築はそうそうやり直しの利くイベントではありませんから、それでは困りますよね。

 

2:地方ならではの施工価格を全国共通の広告で使用する

地方の場合、人件費や事務所の家賃等の固定費が元々安く、その為、建築費は総じて都内で建てる場合と比べて割安なのですが、そんな地方の施工例の価格をそのまま全国展開の広告で使っているだけの広告もあります。ローコスト住宅の価格表示には1000万を切ったものも中にはあるのですが、それは地方都市での施工例であって、東京で同じ価格ではまず建てられないようです。また、税抜き価格、外構工事の費用を含めず表示している場合が殆どなので、導入部分ではローコストだと思って契約してみたものの、最後の部分では至って普通の価格になってしまった、ということは良くあるようです。

 

一例として、私がタ◯ホームのモデルハウスを見に行った際に営業の方から聞いた話ですと、東京で普通にタマホームで建てるなら外構工事、消費税までを含めますと、おおよそ坪60万のような金額にはなりました。その時の私の聞き方として、「このモデルハウスのクオリティーで都内に30坪程度で建てるとしたらお幾らくらいになりますか?」という聞き方をしましたので、デラックスな仕様の設備を削ったり、建坪が増えればもう少し坪単価の下がる要素はあるのかもしれませんが、それでもそんなにびっくりする程のローコストではないのですよね。

 

3:賃金の安い組立工を雇う

これはもはやどこの大手メーカーでも採用している方法ではあります。今の木造住宅は2×4のような外来モノコック構造の普及や、在来工法であっても木材の人工乾燥技術の向上、集成材の使用による構造材の精度の向上とパソコンによるプレカットの導入で、適切な指示さえあれば学生が作業をしても酷い施工にはならないと言われています。良く言われるのが「プラモデルと一緒」という例え話なのですが、それは特別な技術がなくても誰でも組み立てられるという意味です。しかし、プラモデルであっても組み込み技術の上手下手は仕上がりに明らかな差を生みます。住宅建築ならその差が住み心地を直接左右してしまう訳です。

 

上手な人は、当たり前ですが、住み心地や歩き心地の部分で気持ちの良い建物に仕上げますし、且つミスの少ない仕事をします。下手な人は当然、住み心地は気にしなきゃこれでオーケー、施工ミスもしばしば起こる、というレベルです。もちろん下手な人程、安く雇えます。雨漏り等の単純なミスの起こる頻度は、安い賃金で雇った人の方が断然多い訳です。ただ、下手だからとと言ってゴルフボールが転がったりのような住めないレベルのミスは起きないというところがこの方法のポイントなのかもしれません。

 

構造計算を端折るやり方もそうなのですが、雨漏りレベルの施工ミスや壁のひび割れ程度でその建物全部建替えさせることは、例えそれを裁判に持ち込んだとしても認められないという現実が、 結局、業界の中で住宅建築のコストカットに利用されてしまっている部分は間違いなくあるのですよね。

 

品質としてランクが下がる、ミスが出ることを分かっていても、それで裁判に負けることがない以上、そこでトコトン利益を追求する、という道徳観を持っている業者(大手も含みます)であるかそうでないかを、ここでは見分ける必要がありそうです。もちろん、営業の方は立場上「ウチは大丈夫です」という根拠のない話(営業の人が裁判でこちら側の味方として証言してくれるはずもなく)をするしかありませんので、そこは自分たちの側で良い施工の建物の中に入った経験値を上げて、世の中の職人さん達の仕事の「質」を知るしかない部分ではあるのかもしれません。

 

                                  次回に続く

 

坪250万のファミリータイプのマンションを狙っている人に新宿・渋谷の一戸建を敢えて勧めてみる

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 住まいとしてマンションを購入する大きなメリットとして言われていることの一つに「出口戦略」で戸建てより有利という点があるでしょう。つまり、何らかの事情でその場所に住み続けることが得策ではない状況に生活環境が変わってしまった場合、その住まいを売却、或いは賃貸に出すことにしたとして、売却価格が購入金額を大きく下回らない、或いは同条件の他の他の物件に無理なく移り住むことのできる賃料を得ることができるか、という点で、一戸建よりはマンションの方が良いお客が付きやすいと、一般的には言われています。

 

ただ、これから住まいを購入しようとする世帯が、今までの通説通りに物事が進むことを同じように期待できるのかと言われれば、今は何とも言えない状況があるのかもしれません。所有した物件の「出口」を考えなければいけなくなった時、良いお客が間違いなく現れてくれる条件を満たしたマンション価格は、少なくても新築に限った話をすれば、もはや一般のサラリーマンの手の届くものではなくなってしまっているようです。

 

現実問題として、坪250万くらいのファミリータイプのマンションの予算を見込めたとして、その予算で買えるマンションの「出口」価格を見込めるエリアに今どれだけの量の物件が取得可能なのでしょうか。一方で、その規模の予算であれば今なら都心6区でも、人気の地域さえ避ければ、一戸建を狙うことは可能だったりします。

 

一戸建と言えば普通に買えそうな所はもう通勤の便の悪い所しかないようなイメージが定着していますが、実は今は新宿区や渋谷区で、探せば敷地70㎡、6000万円以内で中古の一戸建を見つけることができます。スケルトンからのリホームを見越してもう少し敷地面積、価格を抑えた物件もありますので、時間を掛けて探すことで不動産PBRの数値をある程度見込める地域に一戸建てを持つことは、十分可能と思われるのです。新宿渋谷辺りなら駅からそれなりに歩いたとしても、トータルとしての通勤時間はそれ程負担にならない面はありますよね。

 

都心の一戸建の利点として、環境を重機に依存しない、という点があげられると思います。散歩が好きな方々なら分かると思いますが、元々その土地が持っている雰囲気が良いところは、建物を建てようが建てまいが、人々にとって居心地の良い場所に変わりはないのです。ですから、そういうところには重機のない時代から人々が住まいを構えたのですよね。

 

時代が下り、文明が発達して、重機を使用して開発が行われるようになると、人々があまり好んで住まいを構えなかった場所に超が付くような大型の建造物を建て、人々を興奮状態にすることで人を集め、そこに街を作ることも可能となった訳ですが、それも大型の資本が投下されている間が華、のような性質を持っていると言えるのではないでしょうか。

 

都内ですと、例えば都下のニュータウンなどは、人々を興奮させるだけの資本が落とされなくなってしまうと、やがてその土地の雰囲気は大型開発が行われる以前の人が好んで寄り付かなかった雰囲気を再び帯び始めるようになってしまうことは、それらの土地を歩けば感じられるのかもしれません。

 

今人気のある新興タワーマンション街であっても、本質的には大きな資本を投下することで人々の関心を集めようという手法に変わりはなく、つまりそれらの地域で今不動産をお持ちの方々程、その地域の市場価値を目立ち過ぎぬよう途切れぬよう、いやらしくアピールをし続けるのには何か理由がありそうです。人工的な街は人々が関心をなくしてしまった瞬間、その街の活気も衰え、また元の見窄らしい雰囲気を帯初めてしまうことを、高額マンションを買える程の優秀な方々ですから、それを十分理解しています。

 

これからの人口減、高齢化の社会を迎えるにあたり、人工的に開発された地域の中にはこれから資本投下がなされなくなり、今は活気があるように見えていても、再び元の見窄らしい雰囲気の土地になってしまう地域が必ずある、というリスクは考えに入れておくべきことではあるかもしれません。都心の古くからある住宅用地であればそういうリスクは殆ど心配する必要がないと言えます。自然の作り出した人にとっての居心地の良い空間ですから、自浄作用がありますので、どんなに建物が老朽化しようが人々にとって居心地の良い環境はそのままなのです。ゆえに、人工的に開発された地域のようにいずれ寂れた雰囲気をまとうようになってしまうリスクは、ほぼないと言える訳です。

 

ただ、そういう所はもう人が既に住み着いており、新規でそういう土地を手に入れようとすると中々思うにまかせない状況は確かにあります。そういう意味では、高齢化社会が進み、世代の入れ替えがこれから正に起ころうとしている地域が狙い目になると考えられる訳です。そういう地域の土地は一度にいくつもの物件が出てくることはありませんが、継続的にポツポツと出てきます。都心6区の住宅用地は相続されていくことが多いとは思うのですが、身寄りのない世帯、あるいは敢えてその土地を相続しない事情があったりと、人間模様は様々なので、世代の入れ替わる分母の大きい地域に仕掛けを放って待つのは、十分に勝算を見込める作戦になるのではないでしょうか。

 

個人的には今なら渋谷区の甲州街道の北側が、生活利便性も含めて価格的にも何とかなりそうな地域ではないかと思っています。新宿区なら、早稲田の辺りも個人的には可能性のある地域だと思っています。渋谷の甲州街道の北側は昭和の初期には著名な知識人が隠れ家的に住まいを構えた素性の地域でもありますし、早稲田の辺りも同じように人が暮らす地域としての素性の良いものがあると言えます。人の力ではどう頑張っても持たせることのできない魅力を土地そのものが持っているのが、新宿区、渋谷区等にあって世田谷の元は何もなかった地域や湾岸地域等にはないメリットではありますので、そこら辺りは検討してみる価値はあるのではないでしょうか。

 

工務店の探し方ガイド [その2]

前回の続きです

 

3:工務店が欲しがっているビジネスの規模と自分たちの建築規模が一致すること

その工務店(設計事務所)が普段扱っている仕事の規模が4000万クラスのビジネスであるところに、2000万の予算の仕事を持ち込んでも、もちろん仕事としては受けてはくれるでしょうけど、慣れがない部分のことはどうしても平均的な仕事にしかならない面があり、その工務店ならではのメリットは得難いと考えて良いかもしれません。

 

2000万の家なら使える建材、工法は限られてしまいますから、そこにそんなに多くの選択肢がある訳でもなく、どこに頼んでも大きく変わらない側面はあります。つまり、2000万では大きな夢は語れないのです。それでも最後のちょっとした工夫が出てくるか出てこないか、というところで夢が語れれば、お互い話は弾みますよね。

 

特に設計事務所は都内だけでも膨大な数がありますので、はじめから2000万の規模のビジネスを取る、という方針で自分たちのビジネスを差別化していく工夫を日頃からしている所はいくつもあります。2000万の予算ならそういう設計事務所なり工務店に頼む方が、計画も上手くいく可能性は高いと思われます。予算が2000万なら夢を語るより諦めることの方が多くなってしまうことは避けられませんが、であればこそ、尚更ちょっとした工夫のような部分ができるできないの差は大きい気がします。

 

住まいを新築する計画であっても相手のやる気を引き出してナンボ、という部分は間違いなくあります。住まいを新築することに限らず、技術のある人に、その人があまり普段努力を積み重ねていない領域で自分の理想を押し付けてみたところで、それが良い結果を生まないケースはとても多く、むしろ相手が日頃の努力を積み重ねているものを引き出す方が上手くいくことが多いのではないでしょうか。そういう部分で、自分たちが持ち込むビジネスの規模が、その工務店(設計事務所)が準備の段階で取りたいと思ってるビジネスの規模と一致していることも、とても重要な要素の一つになっていくと思われます。

 

4:何かしらの工務店どうしの付き合いがある

工務店の倒産リスクですが、今は法改正等もあり、完成保証制度や瑕疵保証制度を全て第三者機関を通す形が普及していますので、そういった保証を第三者機関に登録されている工務店であれば、工事機関中、また引き渡し後に万が一依頼先が倒産してしまった場合でも建物は最低限は保証されますので、大きく心配をする必要はないと思われます。もちろん、そういった保証が付かないところは候補から外します。

 

もっとも第三者機関の保証が付いたとしても、個々の工務店の経営基盤を含めた力量を見極めることも必要だと思われます。

 

webサイト上や広告だけでその工務店や設計事務所の仕事に対する考え方のようなものや力量を判断することは難しいのですが、工務店どうしの付き合いがない、或いは完成保証制度を利用する際の、お互いの指定工務店の仲間に入れて貰えるかそうでないか、というのは一つの材料になるかもしれません。真面目にやっている工務店にとって、完成保証制度の発動は単純に負担であり、つまり「簡単に潰れるようなところとは組めない」という前提でお互いを指定工務店として組合を作っています。そういう工務店どうしの付き合いに参加できている工務店は、プロの目から見ても経営が安定している、と見られている訳です。

 

必ずしも大きい組合でなくても良いと思います。工務店の勉強会の中には4〜5つくらいの工務店どうしで勉強をし合うような小さな団体もあるのですが、構成工務店の実績が数年に渡りそれぞれ安定しているのであれば、そこは十分に信用に価する団体と言えます。

 

その工務店なり設計事務所のブログがあるなら、着工数等も必ず確認しておきましょう。ブログやfacebook等に掲載されている記事の中で半年毎のペースで何かしら新規着工があれば、工務店としては回っていると考えて良いかもしれません。ただし、webに掲載される施工状況は、今は施主の許可がないと工務店の方で勝手に掲載できませんので、単純にその数だけで判断することはできない面があり(施主に掲載を断られる場合もある)、それでも半年毎に安定的な新規着工が確認できるのであれば、とりあえず話を聞きに行って良いと思われます。

 

以上の4点が良く言われる工務店(設計事務所も含む)の絞り込み方にはなります。そこで実際に絞り込んでみれば、自分たちのニーズに合った工務店(設計事務所)、という話になれば、都内であってもそう多くの選択肢がある訳ではないということは分かってくるとは思います。とりあえず最初は5〜6箇所、大雑把にでも抽出できれば途方に暮れるような感覚はなくなってくると思います。その次に絞り込んだ工務店(設計事務所)に話を聞きに行って、そこがどういう考えで仕事をしているのか、そういうことを聞きだせる準備をこちらでしていく段階に入っていきます。抽出したところに話を聞きに行ってみたらちょっと違う、ということになれば、それはそれでその経験が生きてきます。最初は見過ごしていた、あるいはピンと来なかった所を候補にあげ直して、また話を聞きにいくと良いのではないでしょうか。

 

工務店側はwebを見ただけで全ての情報を提供してしまうとお客を掴めない、ということを今はもう理解していますので、webでは入り口になることを目指し、余計なことをしていないケースが多くなりました。ですから新築計画のある方はどんどん工務店にアポを取って話を聞きに行って良いと思いますし、違うと思ったらどんどん断って良いと思います。相手も断られることも織り込み済みで話をしてくれますから。

 

前回の補足

ジャンル別けの話ですが、各項目を組み合わせて考えると分かり易いと思います。例えば洋風、オーガニック、庶民的という組み合わせならサーファー風の人たちの暮らす家というイメージになるかもしれませんし、洋風、オーガニック、絢爛豪華なら今流行の地中海系の建物というイメージになっていくのかもしれません。

 

工務店の探し方ガイド [その1]

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前回、コンサルタントを利用するのもアリという記事を書きましたが、コンサルタントも仕組みとしては悪くはないが、やはり料金に納得がいかない、或いは担当者の性能が納得できない、という方もそれなりに出てくるとは思います。コンサルタントを利用するのも不透明には違いないしお金も勿体無い、ということなら自分で工務店なり設計事務所を選別していくしかなくなってしまいますが、でも、それはそれでむしろ良いことなのかもしれません。

 

ただ、東京にある工務店、設計事務所は本当に数が多く、どこから探せばいいのか見当が付かないというのはあると思いますので、前回の記事の繰り返しになりますが、こちらのリストに登録されている工務店の質は、私が実際に足を運んでみた実感としてかなり信頼できる工務店が並べられており、それなりに基準にして良いと思いますので、再掲載しておきます。

 

http://iedesign.ozone.co.jp/subscription/contractors

 

前回は話の流れで掲載しませんでしたが、設計事務所の方はこちらです。

 

http://iedesign.ozone.co.jp/subscription/architects

 

設計事務所は結構な数がありますので全部のサイトを訪れるのもそれなりの根気が要りますが、工務店の方は程よい数ですから、リストに掲載されているところを全て訪れてみるのはそんなに苦にはならないかもしれません。工務店でも設計事務所でも、気に入ったところにコンサルタントを介さず連絡を入れて、直接話を聞きに行くこともできます。

 

ここで注文住宅を建てた方々の間で良く言われる、実際に話を聞きに行く前の段階で「工務店(設計事務所)を絞り込む基準」のようなものを幾つか挙げてみます。

 

1:工務店のジャンル分けをしながら見る

工務店(設計事務所)にもそれなりにジャンルのようなものがあり、大雑把に洋館←→和風←→和洋折衷、モダンで都会←→オーガニック、庶民的←→絢爛豪華の分類で分けられると思いますので、その工務店が得意にしているジャンルが自分たちと違うのなら、いくらその工務店が評判が良いからと言ってその工務店に頼むと、自分たちの望んでいない建物が建ってしまう可能性がもの凄く高くなります。例えばオーガニックの要素を強調してくる工務店に、あまりオーガニックなセンスを求めていないご家庭が新築を依頼しても、お互いの幸せの為にはならないことは容易に想像できるとは思います。モダンな建物を建てたいと考えているなら、工務店のサイトに掲載されている施行事例にモダンな建物が多く掲載されている工務店を選ぶべきなのです。

 

この段階では細かいことは気にせず、とにかく印象だけで選んで良い、と言われています。ただし、今のwebサイトは水着写真を売り物にしているお姉さん達と一緒で、フォトショップの加工がデフォルトで行われていますので、写真はある程度さっ引いて見る必要はあるかと思われます。フォトショップでは安価な直ぐに痛んでしまうような建材をオシャレに豪華に見せることができてしまいますし、中身はかなりしっかりしている工務店のサイトで採用されている写真の印象がパッとしないこともありますので、あまり写真の印象に厳密になってしまうと、良い工務店を漏らしてしまう可能性があります。また、そこら当たりが一応頭に入っていると、後々工務店の施工物件を見せて貰った時の助けにもなると思います。

 

なお、設計事務所の場合、日常←→非日常の対立軸もありますので、そこも気にすると良いと思われます。工務店で非日常のジャンルで勝負しているところは、私は今の所、見たことがありません。

 

2:施行予定地に近い所で営業をしている工務店を選ぶ

工務店の場合は特にそうなのですが、自分たちが住みたいと思っている地域からあまりに離れている場所で営業している工務店は、やはり避けた方が無難です。工務店のサイトには必ず「施行エリア」と書かれてありますので、そこから大きく外れる場所に建築予定なら、例えその工務店を気に入っても、とりあえず施工予定地域に近い工務店を当たってみるのが良いかもしれません。

 

一つの理由として、例えば地盤の判断が同じ土地でも業者によって判断が分かれることがある、というのはあります。地盤調査の方法として、木造住宅の場合スウェーデン式サウンディング調査が一般的なのですが、それは地域によってはデータを取る箇所が2m違うだけで違うデータが出てきてしまう性質のものなのです。地盤の弱い地域で営業している工務店なら、出てきた数値を見ながら割と慎重に判断をする傾向があるのですが、武蔵野台地での施行に慣れている工務店だと、同じようなデータが取れたとして「地盤改良の必要なし」という診断結果を出してしまう場合もあったりします。

 

これは武蔵野台地で慣れている工務店が大雑把だから、というよりは普段仕事をしている習慣の部分もある訳です。明らかに地盤改良が必要なデータが出てくれば武蔵野台地の工務店でもキチンと地盤改良をするでしょうが、人によって判断が分かれてしまう微妙なデータが地盤の調査ではいくらでもある訳です。自然を相手にする訳ですから、いつもいつも竹を割ったようなデータが出てくる訳ではありません。逆に武蔵野台地に建てるのに下町エリアのような慎重な調査をすることが本当に必要なのか、そこでコストを掛け過ぎてしまわないのかという判断に於いては、武蔵野台地に慣れのある工務店の方が適切な判断をするでしょう。

 

もう一つ、東京の郊外に建て慣れている工務店は、全体としてやはり敷地の広い建物を得意にしている傾向がありますし、下町、城南エリアの工務店は20〜30坪の建物を得意にしている傾向があると思われます。もりろん、一概に言えることではないのですが、郊外は土地の値段が安い関係で、郊外の工務店は敷地の広い所の経験値がどうしても上がってしまいます。住宅密集地に建てる20〜30坪の建物は、やはりそういうエリアの工務店の方が経験値は上と言って良いでしょう。

 

地域によって必要な判断が異なってくるのが住宅建築ですから、そういった細かい判断の積み重ねで設計と施行をしていく以上、やはり建てる場所に近いところで普段の生活を営んでいる、その地域で建て慣れている工務店を選ぶ方が、その土地に合った良い計画と設計をするということはあると思われます。

 

                                  次回に続く

マンションを止めて一戸建に路線変更するならコンサルタントを利用するのも手

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どうもマンションが「どこで買ってもロシアン・ルーレット」の様相を呈しており、この際マンションから戸建にターゲットを変更しようというのもアリな考えだと思うのですが、その場合、やはり一戸建に関する知識が少ないと所謂トラップにハマってしまう可能性も高くなってしまいますので、そうならない為にも、ある程度は住まいに関する知識を再構築するという手間を覚悟しないといけないかもしれません。

 

マンションの場合、住まいに関わる「企画」の部分は全てデベロッパーが準備をしてくれますので、買う方はその部分の手間は丸々スルーしてても大丈夫なのですが、一戸建てはそうもいきません。住まいに関わる企画の部分は、一にも二にも、まず良い立地の土地を探すということからなのですが、特に注文住宅にするならそれを自分たちでやらなければならず、それはそれだけでも相当な手間になるはずです。

 

いくら注文住宅が自由設計とは言っても、やはり悪い条件の敷地に物凄く優秀な設計で建てた建物が、物凄く良い条件の敷地に普通の設計で建てた建物を超えることは、ほぼありませんので(例外はあるかもしれませんが。。)土地の地盤、形、向き、生活利便性、値段等の要素を全て考慮して自分達の条件にできるだけ近い土地を探し出すことから始めることが、一戸建では何より大切なのです。立地は生活利便性ばかりが注目されがちですが、土地の形や向き等が設計に及ぼす影響はとても大きく、それらの要素を抜きに土地を選んでしまっても、後々後悔することになりかねません。

 

しかし、そうなると普段の仕事が忙しく、もう自分達では時間が足りなく準備しきれないので分譲されたものを探しましょう、という選択肢も出てくるとは思いますが、分譲一戸建ては分譲一戸建てで、これも玉石混交の様相を呈していますので、知識不足の人を騙せたらラッキーのような商品企画の物件もそれなりに出回っているのも事実です。そこを見抜くのにもそれなりに知識が必要にはなってきますし、そこから優良物件だけを探し当てるのもかなりの労力を必要とすると思われるのです。

 

そこで私がお薦めするのがコンサルタントを利用して注文住宅を建てる、という方法です。

 

戸建の世界にはコンサルタントがいることはあまり知られていないようなのですが、小さな事務所もありますし、東京ガスのような大手企業もそういったコンサルティングをやっており、戸建の知識を勉強する時間の中々取れない方々にはとても便利なサービスになっているのではないでしょうか。

 

もっとも、私自身はコンサルタントを利用せず、全て自分で調べながら話を進めてきているのですが、それも私がコンサルタントの存在を知ったのが工務店が決まった後だったというのが大きく、もっと早くに存在を知っていたら、おそらく私もコンサルタントにお話を聞きに行ったと思います。

 

特に東京ガスの宣伝をするつもりでもないのですが、一応、東京ガスOZONEのリンクを貼っておきます。

http://iedesign.ozone.co.jp/

 

ここのコンサルティングなら話を聞きに行っても良さそうだな、と思った一つの理由が掲載されている登録工務店が、都内でも指折りと思われる所が名を連ねているからです。

http://iedesign.ozone.co.jp/subscription/contractors

 

私はこのリストに入ってる工務店の何社かを自分で連絡を取り、お話を伺いに行ったことがあるのですが、その際、もちろん日を改めてですが、施工物件をそれぞれ内覧させていただきました。建物そのものは窓の取り方や間取り、部屋の湿気の状態、壁クロスの状態、床の踏み心地、ドア等の建て付け等、どこも職人気質の方達がしっかりした仕事で建てている建物ばかりでした。また、私が訪問したこのリスト内の工務店は、どこも住まわれている方と良好な関係が維持されているのも、好印象の要因です。

 

例えば大手のハウスメーカーでの施工やマンションの場合、施工に関する全ての責任が「間接的なもの化」されてしまっている組織形態は、物件をロシアン・ルーレットにしてしまう一つの原因になっていると思われますが、自分の失敗が直接自分の信用に関わる厳しい環境で仕事を取り続けてきている小さな工務店の人達は、やはりそこの部分での仕事と向き合う姿勢が、大きな組織の中のある種の人達とは違うということは感じたかもしれません。

 

コンサルタントを利用するメリットは、そういう職人気質の方々と誤解なくやりとりができることはあげられると思います。職人気質の方々は、やはり独特の感性をお持ちである場合が多く、間に理解のある人が入るというメリットは、マンションから路線を急に変更された方ならそれなりに大きいと思われます。

 

また、先の住まいの大切な要素である「企画」の部分で良い結果を得られることを考えた場合も、コンサルタントを介して同時に土地を一緒に探して貰うオプション等を利用することで、さらにメリットが大きくなると思います。下手に自分たちだけで土地を探すより、気に入った建物を建ててくれる工務店が得意とする土地を選ぶ方が、それが最終的に良い設計へと反映されることは間違いありませんし、そういった部分の準備の手間も、早い段階でコンサルタントを通すことで大分軽減されるのではないでしょうか。

 

コンサルタントを利用する、という手段そのものは今述べた通り、仕組みとしては全く悪くないと思いますが、問題になるとしたらコンサルタント料と、あとは担当になってくださる方の「性能」の部分はあると思われます。

 

自分たちで直接コンサルタントの方の話を聞きに行って、担当の方の「性能」が確認でき、料金も大丈夫そうならコンサルタントをお願いするメリットは、私自身の経験から、とても大きいと思っています。特にマンションからの方向転換組の方々にとっては、検討してみる価値は十分にあるのではないでしょうか。

 

「戸建はマンションより危ない」の嘘

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パークシティLaLa横浜の地中杭の施工不良の一件以降、一時的なのかもしれませんが、マンションを買うこと自体を躊躇ってしまうという声は以前よりも大きくなっているようです。事件の詳細がネット、メディア等に出てくるにつれ、今回の事故は三井だから起きたというよりは、どの大手デベロッパーであっても起こり得る問題とも言えそうで、ユーザーの側でどんな自己防衛を試みた所で、それなりの限界はありそうです。そしてここのところの都心、江東エリアのマンション価格が普通のサラリーマンではもはや買うことのできない価格になってしまっていることも相まって、今までマンションを買おうと思っていた世帯が戸建にターゲットを転換し始めている状況も、一部かもしれませんが、実際にあるようです。

 

そんな中、最近マンション資産を持ちの方が自分の資産価値を上げたいが為に「戸建は雨漏り傾きが日常茶飯事でマンションより危ない」という風評を世に広めようとしている方がおられる状況に思うところがあり、数年に渡り戸建ての新築を準備してきた中で得られた私の個人的な経験を少しづつ共有できるようにしていくのもいいかもしれないと、今回ブログを立ち上げてみることにしました。

 

「戸建住宅はマンションより危ない」という話はマンション・クラスタの人の恣意的な誘導であることは疑いようもなく、それが一戸建住宅の全てではないということは、ここではっきりと申し上げておきます。自分のお金を増やす為なら真面目にやってきている工務店や設計士の人たちの日頃の行いを貶めても構わないという道徳観念を、黙って放置しておくことはできないです。

 

もちろん、ダメな工務店がいい加減な仕事をしているケースも世の中には少なくないのですが、何十年にも渡り「良い住まい」というものと真摯に向き合って仕事を積み重ねてきている素晴らしい工務店設計事務所も、当たり前ですけど、まだまだ数多く営業を続けています。確かに、工務店設計事務所は玉石混交の状況であり、その中から真摯な仕事を継続してきているところを探し出すこと自体が、それなりにイベントになると思われます。そこからさらに、その工務店なり事務所なりで自分のライフスタイルや条件に合った建物を建てられるのか、好みや相性と合わせてどうなのか、それらを総合して判断していくことは、ゼロから始めた場合は特にですが、それは決して楽な作業ではないでしょう。

 

ただ、普通の買い物のことを考えてみてください。お料理に全く興味のない人が良い食材を選べるでしょうか?例えば美味しい野菜を作ってくれる農家から仕入れているお店を見つけられるでしょうか?ゼロから料理を始めた時は食材一つ選ぶにも苦労が多いものですが、それでも毎日料理をし、また料理に興味が生まれてくれば、どんどん良い食材なりを無理なく自分で選んでいくことができるようになっていきます。

 

戸建の購入、或いは新築計画を立てようという方なら、本なり雑誌なり、或いは無料の講習会に参加して住宅の勉強をするのはもちろんなのですが、住宅展示場のモデルハウスや公開されている古い建築の建物の中等、できるだけ多くの住宅規模の建物に入って、実際の建物の経験値を増やしていくことと、そこに勉強した知識の擦り合わせを自分の中で一つ一つ積み上げていくことで、戸建の世界に存在する危険なトラップをどんどん避けられるようになっていけるのです。ある意味、人生を賭けた買い物になる訳ですから、それくらいの手間は惜しむべきではないのかもしれません。

 

人を評価する時に、例えば急に赴任してきた素人同然の上司でも体裁を整えられるように、数値や一定方向からでしかない偏った言葉の解釈に因る基準、素人のメンツを保つ為の基準のようなものではなく、日頃のパフォーマンスの中身でその人の実力を判断するという、昔の人たちが普通に行ってきたセキュリティ(子供時代に自分たちでも普通にできていたことかもしれません)のやり方に戻りさえすれば、危険な選択肢を見抜くことは、実は決して難しいことではないのです。言っている事と日頃の行いが本当に一致しているか、その整合性を確認するだけでもセキュリティというものは機能するものなのですよね。もちろん、見抜こうとする側の一定レベルの知識や経験値がある事が前提になるのかもしれませんが。

 

ダメな工務店がいい加減な仕事をしている例は、確かに数多くあります。しかし、それは必要な準備を経ることで、殆どの場合、避けることのできるトラップだと思われるので、戸建の購入、新築を準備したいと思うなら必要以上に何かを怖がることは全くないと思います。